ブラームスの交響曲に親しんだ話をさせていただいた前回に続くが、こども心ながら“懐かしさ”を曲に感じていた交響曲第一番、威風堂々と先を見据える思いがそこにはあった。
小学生最後の晴れの日、卒業証書を受け取るために壇上に上がるタイミングでこの交響曲の第四楽章が耳に飛び込んできたのである。一人ひとりの名前が呼ばれ列が進んでいくそのような卒業という儀式の中にいて、“穏やかな前進”を予感させる第四楽章が、最初のBGMとなった。
音楽は必然、あるいは偶然に自分の前に現れる。この曲、とくに第四楽章と邂逅する時、門出となった幼いあの日のシーンが呼び起こされるのである。
積まれたレコードの中にセレナーデ集というものがあった。今となってはどこのオーケストラが誰の指揮によって演奏されていたか記憶にないのであるが、しかし音楽だけはしっかりと脳裏に刻まれている。シューベルト、モーツアルト、ブラームスのセレナーデなど有名どころの作品に混ざって、若い時分には聞いたことのない作曲家によるセレナーデがいくつかあった。
その中でも印象深く残っているものが、エンリーコ・トゼッリ、リッカルド・ドリーゴ、そしてピエトロ・マスカーニによるものである。マスカーニは言わずと知れた“カヴァレリア・ルスティカーナ”の作曲家であるが、小学生の自分にわかるイタリア語など、スパゲティや子供時分に流行っていたランボルギーニほどであって、ヴェリズモのオペラなど知る由もなかった。
“セレナード”は、元々その語源にもなっているイタリア語“セレナータ”に由来するもの。夕方から夜にかけて男性が思い憧れている女性に向かい求愛する音楽、である。
こどもの頃のことである。それがどこに国の作曲家であるという知識まではなかった。ただなんとも心地よい、「何なのだろうこの波間を漂っているような自由な揺らぎは」と、それまで聴いてきたドイツやオーストリアの作品とはまったく異なるアゴーギクで表現された音楽に心奪われていく。それがまさに前述したトゼッリであり、ドリーゴであり、マスカーニのセレナータだったのである。
それがイタリアで生まれた音楽であることを知ったのはもう少し先のことになるが、レコード盤の上を小さな雑音とともにすべる針を、自分の気に入ったところだけ手動で持ち上げては下ろし聴いていた頃のことがなんとも懐かしい。
次に知ることになるイタリアの調べがナポリ民謡であっても不思議なことではない。わたしの出生前より鹿児島市とナポリ市の間には姉妹都市の盟約が結ばれており、それもあってかこどもの頃よりナポリに根付いた音楽に触れ合うことはなにも珍しいことではなかった。
堂満尚樹(音楽ライター)
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R.ラドヴァノフスキー&B.ジェイド出演!プッチーニの情熱溢れる名作《トスカ》、名旋律と劇的なドラマが融合したヴェルディの傑作《リゴレット》を鑑賞!
旅行日程:2025年1月22日(水)~1月27日(月)
旅行代金:748,000円~798,000円 (2名1室/エコノミークラス利用/大人お1人様)
※別途空港諸税・燃油サーチャージが別途必要となります
下記2公演または1公演のいずれかをお選びいただけます。
■プッチーニ《トスカ》
【2日目】1月23日(木)19:30開演 メトロポリタン歌劇場
指揮:X.ジャン 演出:D.マクヴィガー
出演予定:S.ラドヴァノフスキー、B.ジェイド、B.ターフェルほか
■ヴェルディ《リゴレット》
【3日目】1月24日(金)19:30開演 メトロポリタン歌劇場
指揮:M.ベニーニ 演出:B.シャー
出演予定:M.チオルディ、E.モーリー、R.シャイエブ、P.パティほか
下記1公演は参加者全員にご鑑賞いただきます。
■ヴェルディ《アイーダ》-新演出- METライブビューイング撮影公演
【4日目】1月25日(土)12:30開演 メトロポリタン歌劇場
指揮:Y.N.セガン 演出:M.メイヤー
出演予定:A.ブルー、P.ベチャワ、J.クタージ、Q.ケルシーほか
上記のほか、下記の公演も鑑賞可能です。(別料金)
■ニューヨーク・フィルハーモニック
【3日目】1月24日(金)19:30開演 デヴィッド・ゲッフェンホール
指揮&ピアノ:ユジャ・ワン
ヤナーチェク《左手ピアノと管楽器のためのカプリッチョ》
ストラヴィンスキー《ピアノと管楽器のための協奏曲》
ガーシュウィン《ラプソディー・イン・ブルー(オリジナルジャズバンド版)》
■ブルース・リウ ピアノ・リサイタル
【3日目】1月24日(金)20:00開演 カーネギーホール
チャイコフスキー《四季》
メンデルスゾーン《「真夏の夜の夢」より スケルツォ(ラフマニノフ編曲)》
スクリャービン《ピアノソナタ第4番》
プロコフィエフ《ピアノソナタ第7番》
■プッチーニ《ラ・ボエーム》
【4日目】1月25日(土)20:00開演 メトロポリタン歌劇場
指揮:Y.N.セガン
演出:F.ゼッフィレッリ
出演予定:E.ブラット、A.ザハリア、M.ポレンザーニ、D.ビズィックほか
その他、ミュージカルの鑑賞チケットも手配を承ります。(別料金)
【受付中!】
2月13日発 グランドホテルに泊まる!
ウィーン滞在7日間
グランドホテルに泊まる!ウィーン滞在7日間
旅行日程:2025年2月13日(木)~2月19日(水)
旅行代金:728,000円(2名1室/エコノミークラス利用/大人お1人様)
※別途空港諸税・燃油サーチャージが別途必要となります
■ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
【3日目】 2月15日(土)15:30開演 楽友協会(大ホール)
指揮:R.ムーティ
シューベルト《交響曲 第4番 ハ短調「悲劇的」》、ブルックナー《交響曲 第7番 ホ長調》
■プッチーニ《トスカ》
【5日目】 2月17日(月)19:00開演(予定) ウィーン国立歌劇場
指揮:P.G.モランディ
演出:M.ヴァルマン
出演予定:S.ヨンチェヴァ、P.ベチャワ、A.マエストリほか
上記のほか、下記の公演も鑑賞可能です。(別料金)
◆ウィーン交響楽団
【2日目】 2月14日(金)19:00開演 ウィーン・コンツェルトハウス(大ホール)
指揮:A.グレーターズ
ピアノ:R.ブッフビンダー
R.シュトラウス ピアノと管弦楽のための《ブルレスク ニ短調》
シベリウス《交響曲 第2番 ニ長調 op.43》
◆プッチーニ《つばめ》
【2日目】 2月14日(金)19:00開演 フォルクス・オパー
演出:L.d.ベア 指揮・出演者は未発表
◆バイエルン放送交響楽団
【3日目】 2月15日(土)19:30開演】ウィーン・コンツェルトハウス(大ホール)
指揮:S.ラトル
ソリスト:L.クロウ、A.シュエン
ターネジ《リメンバリング》
ブラームス《ドイツ・レクイエム op.45》
◆ウィーン少年合唱団出演のミサ
【4日目】 2月16日(日)9:15開演 王宮礼拝堂
モーツァルト《ミサ・ブレヴィス ニ長調 K.194》
◆ベートーヴェン《フィデリオ》
【4日目】 2月16日(日)※開演時刻は未発表 ウィーン国立歌劇場
指揮:A.コーバー
演出:O.シェンク
出演予定:S.シュナイダー、M.スパイヤーズ、P.ケルナー、B.ターフェルほか
◆ベッリーニ《ノルマ》
【4日目】 2月16日(日)19:30開演 アンデアウィーン劇場(2024年9月にリニューアル)
指揮:F.ランツィロッタ
演出:V.ブルハトル
出演予定:A.グリゴリアン、A.アクメトチナ、F.D.トンマーゾ、T.ナズミほか
【パンフレット完成しました!】
バーデン・バーデンイースター音楽祭鑑賞
&ウィーン10日間
4月14日(月)~4月23日(水)10日間
2025年はベルリン・フィルが演奏するラスト・イヤー!K.ペトレンコ&K.マケラのバーデン・バーデン音楽祭とウィーンでティーレマン指揮《アラベラ》、コーバー指揮&K.F.フォークト出演《パルジファル》ヨンチェーヴァ&ファビアーノ、サルシ出演《アンドレア・シェニエ》を鑑賞!(ウィーンは別手配/別料金)
パンフレット請求は下記よりお問い合わせください。
ウェブサイトには10月中に公開の予定です。
2025年4月以降のツアーを下記の通り予定しております。パンフレットを早めにご希望の方はどうぞお気軽にご連絡ください。(仮受付も承ります)
詳しいご案内は音楽ツアーデスクまでお問合せください。
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METライブビューイング2024-25開幕!
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世界のライジングスターに映画館で酔いしれる!
11/8(金)より、METライブビューイング2024-25開幕!
ニューヨークに位置する世界最高峰のメトロポリタン・オペラ(通称:MET)の最新ステージを、日本に居ながらにしてスクリーンで楽しむMETライブビューイング。
MET最新シーズンが今秋より現地で開幕となり、日本では、2024年11月8日(金)より、東劇・新宿ピカデリーほか全国21館の映画館にて上映がスタートいたします!
2024-25新シーズンは超人気演目が大集結の胸が高鳴るラインナップ!
1800年のローマを舞台にしたドラマティックな愛憎劇《トスカ》、幸福度120%のモーツァルトの大傑作《フィガロの結婚》、36年ぶりの新演出となるヴェルディの傑作オペラ《アイーダ》など大人気作が続々登場!
その他、アン・ハサウェイも主演を務めた舞台をオペラ化した《グラウンデッド 翼を折られたパイロット》や、究極の夫婦愛を感動的な音楽で描いたベートーヴェン唯一のオペラ《フィデリオ》といった初登場となる話題のオペラ作品にも注目です。
そして、パリオリンピック閉会式で歌唱を披露したベンジャマン・ベルナイムや、驚異的な声量と美声で魅了するリーゼ・ダーヴィドセンなど実力と個性が光るライジングスターも勢ぞろい!
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